臼歯の破折に対する抜髄根管治療
「破折」とは、歯が「割れたり・折れたり」することです。
硬いものを噛んで割れることが多く、神経が露出している場合は特に注意が必要で、早期に適切な処置をしないといけません。
歯科ユニットと歯科用のレントゲン装置を導入したことにより、今まで大学病院で治療していただてた小型犬の臼歯の破折の治療も当院で行えるようになりました。
上顎第4前臼歯の破折
別のワンちゃん(体重3kgの小型犬)で説明していきます。
歯科用レントゲンで歯根に異常がないことを確認します。
神経の処理をしやすいように歯を削ります。
神経を抜きます。
神経の取り残しがないか随時レントゲンで確認します。
神経を抜いた部分に詰め物をします。
グラスアイオノマーセメントとレジンという硬い樹脂に特殊な光を当てて固めて蓋をします。
上手くできているか歯科用レントゲンで確認します。
磨いて完成です。
破折した歯を放置した場合は、神経から細菌が入り、顎の骨が溶けてしまいます。
また頬に感染・炎症が広がって腫上がったり膿が出て痛くてご飯が食べられないようになってしまいます。
こうなってしまうと、もう歯を抜くしかありません。
ただ、人間と同じように奥歯はご飯を噛むための歯なので、出来るだけ抜かないように早期に適切に治療しないといけません。
破折は歯の緊急状態ですので、治療の可能な動物病院に早期に来院されることが大切です。